2014年 12月 17日
マスタープランをした住宅団地 |
久しぶりに、住宅団地を訪ねた。
15年前に、住宅団地のマスタープランを僕がやった団地です。
当時岡山県には「クリエイティブTOWN岡山」という事業があって、公
共建築を中心に、将来のまちの文化的資産になるものにしようと始めた
ものでした。民間のデベロッパーの事業ですが、それに参加する事業と
して承認され、設計者として県から推薦されて、僕がやることになった
ものです。
15年たって、家並みも揃い緑の、道沿いの生け垣もきれいに刈り込ま
れていました。マスタープランだけの関わりで、住宅の設計にはタッチ
していません。
団地内を歩いてみて、僕のマスタープランンの意図をしっかり汲んでく
れた家に出会って喜んだり、もう少しなんとかならなかったのかと思う
ところも正直ありました。建築条件のない設定だったので、それぞれの
分譲地は建設業者さん任せになったことで、家並み全体を十分調整でき
なかったことが、残念というか、当時のプロジェクトの限界があったこ
とを思い出しました。
それでも、この規模で当時の住宅団地にはない取り組みをたくさん盛り
込んだ団地となっています。特に宅地の区画割りと道路の計画には、相
当の時間をかけた記憶があります。というのもそのほとんどが、市役所、
中国電力、岡ガスさんなどの、承諾や許可をいただかないと出来ないも
のでした。なぜなら、あとあとの管理をやっていただくことになるか
らしばりがあるのです。そのため、たとえば当時の市役所の1階から7
階ぐらいまで、何度も何度も交渉に足を運んだものです。
道を少し曲げたい。交差点は車がスピードを緩めるようにレンガを敷き
たい。車道だけではなく歩行者だけの緑道で湖まで行きたい。ライフラ
インの上水や汚水のルートをこうしたい。電柱を出来るだけ車道から見
えないようにしたい。
などなど、あらゆる市役所や部署の担当者や中電の担当者とやりあった
ことを懐かしく思い出されました。
そんな経験から、私たちの暮らす住宅地は、市役所をはじめ様々な機関
の各種法律だったり、条例だったり、取り決めだったりといったルール
の網の目に管理され、また守られていることを実感しました。そのなか
で前例に組せず、いい住宅団地を目指して新しいことにチャレンジでき
たのは、実際の住宅団地を歩いてて、良かったなと思うのです。
by maruyama834
| 2014-12-17 14:45
| 都市デザイン