四季のはっきりした岡山 |
岡山市はどうか
もちろん、あなたが日常生活で何を重要視するかによって、理想的な住まいとなる場所は異なってくる。『日本でいちばん幸せな県民』に掲載されている県民幸福度ランキングでは、福井、富山、石川の北陸3県がトップ3を独占している。しかし、「先日届いた手紙には『私は1位の福井市に住んでいますが、ここほど住みにくいところはない』と書いてありました。いくら幸福度1位の福井でも、男女や世代によって感じる幸せは違う」(著者の法政大学教授の坂本光司氏)のだ。
映画監督の大森一樹氏(59歳)は、「地域ブランド調査」(ブランド総合研究所)で例年トップ争いを演じている北海道函館市やベスト10以内常連の石川県金沢市ではなく、岡山市を挙げた。
「映画のロケで日本全国を訪れています。『テイク・イット・イージー』を撮影した函館市は情緒たっぷりでいい町でしたが、実は私は寒いところが苦手なんです。『恋する女たち』のロケをした金沢市も雪に埋もれていて寒さが身にしみました。昨年公開の『津軽百年食堂』を撮った青森県津軽市は、撮影期間がちょうど桜の季節にあたり、非常にきれいでしたが、長い冬のことを考えると尻込みしてしまいます。
一方、気候が温暖だと、ゆったり時間が流れ、人の性格もギスギスしていないように感じる。ただ、鹿児島県でもロケをしたことがあるのですが、桜島の灰が絶えず降ってくるし、沖縄県のような年中、暑い場所だと季節の移り変わりがあまり感じられず、物足りなさが残る。となると、岡山市のように温暖で四季がはっきりとしていて、ゆったりと時間が流れている感じのするところが、何とも言えず心地いいんです」
2012年01月30日(月)週刊現代